制度・手続き
労働時間管理の適正化と賃金不払残業解消のために

まずは「出・退勤時間」の適正な記録から!

曖昧な労働時間管理が原因となっている「過労死」や
「賃金不払残業」を防ぐための第一歩です

~労働時間管理の適正化と賃金不払残業解消のために~

  厚生労働省では、平成15年5月に「賃金不払残業総合対策要綱」を策定し、労使に対して主体的な取組を促すことにより、事業場における適正な労働時間の管理を一層徹底するとともに、賃金不払残業の解消を図ることとしたところです。同要綱に基づき、11月を「賃金不払残業解消キャンペーン月間」として集中的に広報・啓発活動を実施することとしています。
  労働基準法では、第4章において労働時間、休日、深夜業等について規定を設けており、このことから、使用者は、労働時間を適正に把握するなど労働時間を適切に管理する責務を負っていることは明らかです。
  しかしながら、適正な労働時間管理が行われていないために過労死事案の増加や賃金不払残業の発生が後を絶たない現状にあります。
  脳血管疾患や虚血性心疾患の発症においては、様々な原因が考えられますが、その中には過重な長時間労働等による過労が要因のひとつとなって発症するものもあり、最悪の場合、死亡に至るケースもあります。このことは社会的には過労死と呼ばれています。
  厚生労働省がまとめた、全国の平成15年度中における過労死事案に係る労災補償の請求件数は306件となっており、また、平成15年度中に過労死として認定された事案は157件となっています。
  過労死は、本人及びその家族の方に重大な損害を与える一方、会社にとっても、裁判などによって多額の損害賠償の支払が命じられるなど、抱えるリスクは少なくありません。
  過労によるうつ病が原因となって自殺した労働者が「過労自殺」と認定され、会社側に多額の損害賠償金の支払が命じられた事件に電通事件(平成12年3月24日・最高裁第小法廷判決)があります。この事件は、社員Aが入社約1年5ヶ月後に自殺したもので、Aの父母はAが長時間労働が原因でうつ病を発病し、その結果自殺に及んだとして、会社に対して民法第715条の安全配慮義務違反を理由に損害賠償を請求したものです。
  裁判で会社側は
(1)Aの労働時間はA自らが作成した勤務状況報告書のとおりで、長時間労働は
  なかった。
(2)仮に業務によって過労状態があったとしても、自殺の原因とは考えられない。とし、会社に安全配慮義務違反はなかったと主張しましたが、第一審、控訴審、上告審とも会社側主張は退けられ最終的には会社側が遺族に対し約1億6800万円の損害賠償を支払うことで和解が成立しました。
  この裁判の第一審において会社側主張の(1)の点について、同社は労働者本人が作成・提出した勤務状況報告書、つまり自己申告により労働時間を把握していましたが、それによるとAの自殺前の9ヶ月間平均の1日平均の残業時間は約3時間30分でした。しかし、Aが実際に社内にいた時間と比べると、社内で頻繁に徹夜をしているなど、大きな差がみられました。会社側はこの差は業務と無関係にAが社内にいた時間である旨主張しましたが、裁判所はAの仕事ぶりを調べた結果、この差の時間も基本的には業務の遂行に充てられていたと判断しました。
  この事件のように、労働時間を労働者の自己申告制にし、実際の労働時間とはかけ離れた労働時間を会社が把握していても、労働者の過労防止には役立ちません。同社では、労働時間の把握を正確に行わず、長時間労働を見過ごした結果、多大な損害賠償を払うこととなりました。
  また、自己申告制が安易に用いられ、この運用が種々の要因から適正に行われないため、労働時間が過少申告となり、結果として賃金不払残業となって労働基準法第37条違反に問われることにもなりかねません。
  このような、過労死・過労自殺、賃金不払残業を防ぐには、会社は、労働者個々人の労働時間を正確に把握する必要があります。このため、厚生労働省では、「労働時間の把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」を示しています。本基準では、労働時間の適正な把握を行うためには、単に1日何時間働いたかを把握するのではなく、労働日ごとに始業時刻や終業時刻を使用者が確認・記録し、これを基に何時間働いたかを把握・確定する必要があるとしています。



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